オートマチック・ガール(スミヤ 著)レビュー
ネタバレ注意
基本情報
タイトル:オートマチック・ガール
著者:スミヤ
ジャンル:恋愛、メイド、OL、幼馴染、女子校生
今回は「オートマチック・ガール」を購入したのでレビューしていきます。本書の構成としては、3話完結エピソードが1つと、1話完結エピソードの詰め合わせになっています。女の子の傾向としてはあからさまな巨乳や微乳はいないです。表紙のクロナが大分大きくなっていますが、本編では割と普通に見えました。本書の傾向としては登場人物の気持ちの動きの描写に力が入っている印象を受けました。本書のタイトルでもあるオートマチック・ガールでのクロナに対する坊ちゃんの心情とか、クロナの坊ちゃんに対する考えとかお互い慮っているのですがそれが伝わらないモヤモヤとかそういったもどかしさを感じさせる描写が結構みられます。とはいえ、複雑な心境を扱っていても話自体が暗いわけではなく、ポジティブな読後感となっています。
各話感想と概要
オートマチック・ガール
感情が読めないアンドロイドのメイドと坊ちゃんがするお話。クロナは秀一の世話をしているアンドロイドのメイドです。メイドですが、秀一が何を考えているかはあまり汲み取れない様子。秀一がクロナに対して思いを寄せているため、クロナと向き合うと挙動不審になっているのですが、なぜそうなるのかがわかっていないようです。買い物にでてアクセサリーの好みを秀一から聞かれるもそっけない反応を返してしまいます。クロナはクロナで秀一の考えを以前より汲み取れなくなっているのを気にしていました。どういったもので秀一が喜ぶのかをクロナなりに考えて行動を起こします。という話の流れになっています。率直な感想としてはいい話なのか判断に迷うというものでした。クロナが笑ったのはそうしたほうが望ましいという理屈から笑みを浮かべたのであって感情が動いてそうなったわけではないと思わせられたからですかね。ただ、クロナの考えは全くのはずれではなく半分は当たっていることを指摘されたあたりからの表情は意図的なものではない可愛らしさを感じました。そう考えるといい話でいいのかなと思いました。
Neighbors
妄想逞しい女の子と目つきの悪い男のするお話。絵麻は小中高と女子ばかりの環境から大学で初の共学で大学デビューと浮かれ気味でした。今まで周囲に男がいなかった反動なのかやたらと妄想が激しく新歓コンパでお持ち帰りされるだの、性欲処理させられる運動部のマネージャーだのといったシチュエーションを妄想するも当然実現しないので、期待外れから欲求不満がたまって自室で派手にオナニーしてしまう始末。翌日お隣さんと鉢合わせたところ、そのお隣さんは新入生説明会で隣の席になったやや目つきの悪い男でした。壁の薄さから昨日のオナニーのことをやんわり指摘されるのですが。という話の流れになっています。絵麻は結構めんどくさい子かもというのが初見の感想でした。青山が思っているとおり中身以外は普通にかわいいといった感じです。まあ中身といっても腹黒いわけではなく妄想逞しいというだけですが。とはいえ妄想以外も結構ぶっ飛んでいます。あって数日のお隣さんとセックスする流れになるわ、処女だけど割とノリノリでやっていたり、ことが済んでもピロートーク中に妄想炸裂のシチュエーションについて語るなど。めんどくさいけど傍から見る分には面白い子という印象でした。
カタコイ×スクエア SCENE1
気持ち的に一方通行な幼馴染とするお話。晴と瑞貴、英太と遼子は仲の良い4人組で、春と瑞貴は幼馴染、英太と遼子は義理の姉弟で、遼子は瑞貴に対してアプローチをかけているのですが当の瑞貴はいじられていると思っているだけで特に進展はない状態でした。単純に仲の良い4人組だったのが、晴が英太に対して告白したところから変化が出てきました。英太の断る言い回しから英太は遼子に思いを寄せていることを察した晴は当然意気消沈してしまいます。相手が英太であることを伏せたまま振られたという晴の話を聞いた瑞貴はそれでも晴が告白したのは英太であることを言い当てます。なぜわかったのか不思議に思う晴に対して瑞貴は長年幼馴染であること晴を好きな人はここにいることを伝えます。という話の流れになっています。3角関係はそうでもないのに4角関係になった途端複雑さがすごいことになっているような気がしました。晴と瑞貴の仲は良好で晴がふられたことがきっかけのセックスの後でも特に関係が壊れてはいない感じですが結構切ないです。ふられた晴に瑞貴が告白して抱く流れですが、晴は事の最中涙を流したり思わず英太の名を呼んでしまったりと気持ちの整理がついていないのがしんどいです。瑞貴の方にしても晴に告白して抱いているわけですが晴の気持ちが自分に向いていないことは嫌でも自覚させられるというなかなかつらい展開。こう書くとドロドロしてそうというか実際結構ドロドロしているとは思うのですが、事の後の晴と瑞貴の会話などあんまりくどくなくビターな感じの読後感でした。
カタコイ×スクエア SCENE2
気持ちがすれ違っている義理の姉弟がするお話。遼子は読者モデルをやっていて大学でもちょっとした有名人でした。義理の弟である英太は同級生に紹介してほしいと頼まれるもそっけないリアクションを返します。周囲は勝手に一緒に住んでいたら色々あると察しますが、周囲の考えは英太にとっては的外れな様子。ある日両親が不在の夜、遼子はコンビニに外出しそのとき晴と瑞貴の会話(SCENE1のラスト)を聞いてしまいます。そのせいか家に戻ってから酒を飲んですっかり出来上がってしまい、酔ったまま風呂に入ると言い浴室へ。酔った状態で風呂に入るのを気を付けるよう英太が声をかけるも風呂から物音が、心配になった英太が確認すると案の定遼子は風呂に顔を付けた状態になっていました。風呂から引っ張り上げた遼子の体を意識しないようにする英太でしたが、酔った遼子が英太にたいして瑞貴と呼びました。という話の流れになっています。前の話と同様にこちらもやっぱり切ない系な絡みになっています。英太は遼子に惚れていますが遼子の気持ちは瑞貴の方に向いています。普段から遼子は瑞貴に対してアプローチをかけているからわかりやすいですが、それに加えて今回遼子は酔った状態なのでさらに本音が出ている状態でしょう。途中で素面に戻って英太を拒まないものの、英太の気持ちを今までわかっていても気づかないふりをしていたことに対して思うことがあったためですし、事が済んだ後は英太の気持ちには答えられないときっぱり言い切っています。前回に続き今回もほろ苦さを感じさせる終わり方でした。
カタコイ×スクエア SCENE3
旅行先でのカップル2組それぞれのセックスのお話。SCENE1と2の4人。晴、瑞貴、遼子、英太は気分転換に遊びに行こうということで旅行へ行くことに部屋割りは瑞貴と遼子が、晴と英太がそれぞれ同じ部屋という組み合わせに。というのも遼子が晴に頼み込んだ結果このような組み合わせになったようです。それぞれの部屋で遼子が瑞貴に告白し、迫っていくと隣の部屋の晴と英太にもその様子が聞こえてきました。という話の流れになっています。SCENE1から3まで見て思ったのは各話惚れている側が迫って事に至っているのは共通していますね。しかもどの組み合わせも両想いじゃない。話の中ではどれも感情的に切ない感じのセックスになっているのですが、ラストシーンを見ているとそれぞれの気持ちに微かな変化がみられてポジティブな未来を感じさせる爽やかな読後感がしました。
ツメタイシグサ
冷たい感じの子がセックスで大いに乱れるお話。職場で軽いノリで会話している男女数人。女子社員からナンパですよと突っ込まれる難波の前に、会話の輪にいなかった女子社員である氷室が現れて辛辣な一言だけを発してさっさといなくなってしまいました。ドン引きのほかの女子社員は氷室が怖いといい難波とは相性悪いんじゃないかと言いますが、難波は想像に任せると答えました。そこから場面は変わって難波は氷室を抱いていました。という話の流れになっています。唐突に死ねって言われたらそりゃあ男女問わずドン引きですよ。かなりとげとげしい感じのする氷室ですが、職場とベッドの上とのギャップがすごいです。話の中ではストレートに本音は出さないのですが、氷室のほうが何気にメロメロになっているのは結構わかりやすく感じました。あとはさっきも述べたようにギャップですかね最初のツンケンしたイメージがある分ベッドでのトロ顔のインパクトがすごく可愛らしく感じました。
Shuttered
写真を撮られると興奮する陸上女子のお話。六哉がつきあっている彼女である部活中の凪をスマホで写真を撮っているとそれをほかの陸上部員に見咎められていました。盗撮を疑われスマホを見せろと迫られますが、凪が助け舟を出してその場は収まりました。2人は連絡を取り合って放課後家で会うことにしました。知り合ったきっかけは六哉が凪に写真を撮らせてほしいと頼んだことが始まりのようでした。頼み込んだのは六哉の方だったようですが、凪は凪で写真を撮られると興奮する性癖を持っていました。という話の流れになっています。凪は褐色ショートのボーイッシュタイプの子になっています。ハメ撮り(といってもビデオではなく写真の方ですが)をしたがる変態と撮られて興奮する変態の組み合わせです。体の触り方とかそういうのではなく、写真を撮ったり撮られたりすることで盛り上がっていく様子はあまり見ないパターンだと思います。
PITCH CAMP
ご機嫌斜めな彼女を押し倒すお話。樹梨がテントの仲で籠城していました。テントといっても室内で広げたテントですが。樹梨はアウトドア派で快活な女の子なのですが、ちょっと変わっていて機嫌が悪い時は部屋の中でテントを立ててそこに立てこもります。そんな状態になると会話はメッセージアプリ越しになって今回もそのような感じで功也の方はなだめようとして食事をおごる約束もするのですが、一瞬許したようなそぶりを見せつつ手のひら返しをする様にさすがに功也も腹がたちテントに侵入して樹梨に迫るのでした。という話の流れになっています。樹梨はニット帽でセミロングな女の子。ニット帽は室内でもかぶったままです。喧嘩からの少々乱暴なセックスと見せかけてただのバカップルのイチャラブでは?とちょっと思いました。誘い受け?でいいんですかねこの場合。テントに侵入されて手首を縛られるのですが、縄を解こうとすると逃げるあたりやっぱり誘っていますよね。押し倒されて抵抗して見せるもしっかり抱かれる準備万端だったり、縛られた状態でハメられて興奮している樹梨が非常にそそる感じになっていました。
オソウジ
潔癖症の男と大雑把な彼女が風呂場でするお話。清司と朱野は付き合っているのですが、告白以降これといった進展なしのカップルです。清司の方は掃除大好きなやや潔癖症の気のある男に対して、朱野の方は運動部で大雑把な感じの子です。朱野が部活帰りに清司の部屋でダラダラしていたら清司から臭うから風呂に入れと言われて朱野はシャワーを浴びることに。朱野は何かあるかもと一瞬期待するもののそんなイベントは起きないだろうと頭を抱えてしまいます。そんなふうに朱野がうなっているなか清司が風呂に侵入してきて曰く臭いの原因がわかったとのこと。当然朱野は入ってくるなとあわてて反応するのですが、そうこうしているうちに滑って転倒してしまい風呂の洗剤類をぶちまけてしまって朱野の顔にかかってしまい顔射チックな絵面になってしまいました。という話の流れになっています。いくら朴念仁気味の男とはいえ彼女が風呂に入っていたらそりゃあ興奮しますよねといった感じです。清司が体は手で洗う派とはいえ彼女のカラダを手で洗えば当然エロい雰囲気になるわけで。なんといいますかはじめは本当に体洗う気だったのかもしれませんが、素手で彼女のからだまさぐっていたらだんだん盛り上がっていく流れがいいですね。とはいえこのカップル朱野が今回体洗わせなかったら進展がないですよね多分。
無表情レゾナンス
お互いに表情の乏しいカップルのお話。竹内と水無瀬は友人の紹介で知り合いました。この2人実家がそれぞれ古風な祖父の影響で感情をあまり出すことはありませんでした。周囲の友人はどうしたものかと思案顔ですが竹内が自分はこれでいいと思っていると言うとそれが水無瀬に刺さったらしく2人は付き合うことに。付き合うと言ってもデートはするのですが水無瀬に門限があるためさほど進展はない模様。そんなある日雨に降られたらしく水無瀬は竹内の家に上がることに水無瀬の服を乾燥機に放り込んで待っている間なにやらいい雰囲気になってきて。という話の流れになっています。なんといいますか純朴な感じの2人は見てて微笑ましくむずがゆい感じもします。表情の乏しい子が普段見せない表情を見せるのは非常にそそられるのですが、欲を言えば水無瀬にもう少ししゃべってほしかったというのはありますね。言葉を発していたのはほとんど竹内の方だったので、男女ともに無表情カップルということならば口を開くのは別に竹内だけでなくてもいいのではと思いました。とはいえ触れた瞬間にふともれでる声というのは結構好きです。
Winding Mechanism
書き下ろし短編です。各話の後日談ですね。後日談といってもページ数が多くない上に各エピソードを拾っているので、だいぶ駆け足な感じになっています。短いことは短いのですが、カタコイ×スクエアの4人について前向きな感じになっているのが結構すきです。


